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【ラ・サール66期 井口vol.2】起業の決意から創業まで:レアケースの資金調達?

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井口
それでは、第二部ですね。

起業の決意から創業までについて話したいと思います。
実は、ここに8ヶ月かかっています。

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まず、起業を決めてから2つの行動をしました。
起業の軸を決めることと、仲間集めです。

仲間集めに関しては、ここは自分の運がいいところだと思うのですが、すぐに集まり、今の共同創業者の吉野と出会うことができました。
起業の軸を決めるに関しては、本を読んだり、セミナーに参加したりして、最終的に2つの軸に絞りました。

1つ目が、原体験から事業を作ること。
2つ目が、インターンの時にビジョンがない社長に違和感を抱いたことより、事業に対してビジョンを必ず持つこと。

事業に対してビジョンを持つには原体験から事業を作る必要があると思い、この2つの軸をもとに、半年ほど、自分の原体験を掘りまくり事業を作ろうとしました。

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そこで、スマートフォンで大量の無駄な時間を過ごしてしまったという原体験から「スマホ依存対策アプリ」の事業案を作成し、20人ほどの投資家に壁打ちしました。

ただ、全員から口を揃えて、マーケットが小さい、どんなに成功しても大きな事業にはならないと指摘を受けました。

もし、21歳でこの事業をするならピボットすることを強く勧めると言われ、原体験から事業を作ることへの限界を感じました。

こちらに関しては、学生起業にありがちだと思うのですが、学生が原体験から作ろうとすると「教育」か「ファッション」に偏りがちだと自分は思っています。

学生起業の学生は、留学していたなどの特殊なバックグラウンドがない限りは、原体験の発想が似てくると思うのですよね。

ですので、そこで事業を作ろうとしても、すでに似たような事業は合って、その分、競争も激しいと思い、原体験から事業を作ることは必須なのかを自問自答し始めました。

その中で、起業の軸を変更しました。

まず、原体験から事業を作ることから、「大きい事業にするべく、良いマーケットを探し、そこで事業を作る」ことに変更しました。

そうしますと、事業に対してビジョンを必ず持つことは出来ないなと感じましたので、「事業に対してではなく、会社づくりにビジョンを持つ」ことに、こちらも変更しました。

 

会社づくりにビジョンを持つ、という点に関しては、ハテナと感じる人も多いと思うのですが、有名な会社だと、例えばサイバーエージェントですね。

「21世紀を代表する会社を作る」というビジョンを掲げていて、自分も、会社づくり・組織づくりにビジョンを持つことで、起業の軸を変更しました。

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そして、次は、大きいマーケット探しを始めました。
日本の中で、大きいマーケットですと、「車」「医療」「不動産」などが、あげられると思います。

父親が不動産領域で起業していたので、最初、不動産領域での事業を考えたのですが、こちらは立ち上がらなかったです。

そこで、スマホ依存対策の事業案の時に壁打ちしたVCにマーケットについて相談したところ、「マーケットを決定するから、その代わり出資させて欲しい」と提案されました。

VCとの相談の結果、医療にマーケットを決めて、まだプロダクトがない中で資金調達をして、創業に至りました。

 

片岡
不動産領域で立ち上がらなかったということですが、実際どのフェーズでどのようにうまくいかなかったのですか?


井口

まず、事業を考える中で、自分の若さがネックになる領域だなと感じました。

不動産領域は、レガシー領域で、営業力が事業の成功要因だなと思い、VCからも不動産は学生がやるにはきつい領域だと思うと指摘を受けました。


片岡
ありがとうございます。
アイデアを煮詰めている時に、不動産領域だと、レガシーだし営業力やコネクションがないと厳しいと思ったということですね。


吉永

重ねて質問ですが、不動産領域だと、例えばGA technologiesは、社長もまだ若いですし、しっかり業績もあげているところを見ると、若くても参入余地はあるのかなと感じたのですが、その辺はどうですか?


井口

そうですね。まさに、GA technologiesやイタンジなどが、不動産業界をdisruptしているのですが、GAなどが2013年に創業して2016年くらいからずっと成長してきていて、不動産のスタートアップで取れる領域をかなり取ってきているなと思いました。

GAに売る事業なら考えられると思うのですが、GAと同じ規模感の不動産業界をdisruptする事業を作るとなると、今からは厳しいかなとその時は感じました。


吉永

ありがとうございます。

井口
先に進めますね。

この、マーケットを教えてもらう代わりに資金調達を行うというケースは、結構イレギュラーなケースだと思います。

実際に、株の%が大きいとか、常識的な資金調達のステップではないなどの理由から、資金調達に反対意見を言う人も複数いました。

自分達も迷ったのですが、その中でも資金調達を行った理由を3つ挙げさせていただきます。

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2つ目に関しては、事業をやっていくなかで、マーケットは必ずついてくる問題だと思っていましたので、うまく市場を選定できたのは良かったと思っています。

これ以上、自分達で考えても遅れるだけだと思い、資金調達を行い、創業に至りました。


穗原
私は、井口君と同期で、彼のことを良く知っているのですが、井口君は意思が強い人で自分がやりたいと思ったことは自分がオーナーシップを持って愚直にやるタイプだと思っています。

そんな中で、資金調達を行うということは、ある種、主導権を渡すことなのかなと思いまして、私が知っている井口君だと、借入にして100%株を持ってという選択肢を取っても良かったのかなと思ったのですが、その辺、意識の変化などあったのですか?

井口
そうですね。
まず、今回、資金調達を受けたVCが、あまり事業に口出しをしないという部分が大きかったです。

他のVCのように、週に1回mtgがあるとかもないですし、ハンズオンではないので、経営に深く関与されることもないというという条件のゆるさが、自分にとっては良かったです。


井口
はい。それでは、第二部のまとめです。

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最後の、マーケットをVCと決めて、そのVCから資金調達を行うことに関しては、有名企業ですとクラウドワークスなどは、これでしたので、起業の1つの方法としてあるんだなと思っていただけたらと思います。

【ラ・サール66期 井口vol.3】現在の事業とこれからの展望:開業医のプラットフォーム事業 に続く。

 

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