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【ラ・サール55期 福澤Vol.4】SkyDriveのハードシングス。本当にできるのかと周囲から指摘された過去

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福澤

ここまでが事業紹介になりますが、ハードシングスも話せたらと思います。

まず、起業時です。
2018年に起業しましたが、スタートの時点で世界のトップから6年以上遅れていました。

どうするの?と。

 


どう考えても、先行者優位で先に開発している人達が、シェアを取っていくのではという話があり、今更やるんですか?とか、空飛ぶクルマは最初は20kmしか飛べなかったので、20kmしか飛べないのに誰が使うの?ということを言われました。

雨や雪が降ると飛べないので、ヘリコプターと同じで就航率80%くらいなんですよね。それだと、公共機関として成り立たないのではと。


機体に関しても、最初はホバリングしかできなかったです。1mの高さで同じ場所に居続けるので精一杯で、少しでも動くと落ちるという感じでした。
パイロットは息もできないみたいな感じでスタートしていたので、本当に飛べるようになるのか?という懸念がありました。

あとは、日本で航空機の認証をとった会社は、実は1つもなくて、三菱重工やIHIなども取っていないです。
皆さん、ボーイングから受注して羽や胴体だけ作ったりしていますが、航空機全体を作ってはいないです。
MRJも苦戦していて、本当に出来るのか?という懸念もありました。

 

ローンチまで100億円以上かかるという事業計画を出したのですが、これはスタートアップの領域なのか?と、言われたりしました。


さらに、初期メンバーが航空機やドローンについて十分知らないし、経営やスタートアップについても知らなかったので、どうやって会社として成長させていくのか?といった内部の問題もありました。


また、一番最初にNEDOの助成金を取るために、20日くらいかけて5人で資料作成したのですが、落選したり、投資家が視察に来る2日前に機体が破損してしまい、どうしよう?など、様々なトラブルがありました。

ほかには、XXがあったり、▼▼があったり、、■■もありました。

 

こんな感じですね。


吉永
福澤さん、ありがとうございました。
特に最後の方は、想像以上のハードシングスだなと感じました。


福澤
周りのハードウェアスタートアップも似たような感じでして、苦労しているところが多いですね。
ハードウェアスタートアップの場合、HR・経営・技術のプロジェクトマネジメントの大体3つがボトルネックだと感じています。

ですので、最近は、そのあたりに関して、すでに先人で苦労された経営者に話を伺ったりして、見習って頑張っていこうという感じです。


吉永
ハードウェアスタートアップ界隈でも、そうした先人から話を聞くみたいなエコシステムがあるのですね?


福澤
そうですね。

私も、実は経営者にならないといけないと、気を引き締め始めたのが数ヶ月くらい前なのです。
今は、どういう体制で会社を運営していくかに関して、メンバーと密にコミュニケーションをとって、会社の方向性やマイルストーンの切り方を納得いくまで話し合ったりしています。


吉永
ありがとうございます。

いくつか質問がきていますので、取り上げたいと思います。

まずは、事前にいただいていた「なぜ、空飛ぶクルマを作っているのですか?個人的な動機の源泉とキッカケが知りたいです」という質問です。こちらに関していかがでしょうか?

 

福澤
はい。個人的なところでいくと、私は元々ものづくりがとても好きでした。

中学生の頃ですが、プロジェクトXで取り上げられているような、ダムを作るとか、ウォークマンを作るとか、すごい大変だったけれども報われて世の中の人達全員が世界が変わるような体験を作ることは、とても大変だけれども面白いと感じていました。

吉永
中学生ですか。早いですね。ラ・サールに入る前ですね。


福澤
そうですね。そして、トヨタかパナソニックに行きたいと思いました。世界中で使われている自動車や家電を作っているメーカーが両社だなと感じたためです。

日常的に車があるだけで少し幸せになったり、電子レンジがあるだけで、早く食べれて美味しかったり、そうした体験がいいなと感じました。

また、お客さんの笑顔を理念においているところも素敵だと感じました。そうして、トヨタに入社しました。
私は、トヨタの調達部という、部品を買う場所にいて、様々なサプライを見つつ一方で趣味で様々な企業のコンサルをやっていました。携帯の部品メーカー屋とか布団屋とかですね。そうすると、オーナーが皆さんキラキラして楽しそうで、自分もあんなふうになりたいと感じ始めました。

というわけで、実はSkyDriveの前に、福澤商店という製造業のコンサル会社を立ち上げました。
主にハードウェアスタートアップのサポートと、中小企業のものづくりベンチャーの社長補佐という形で入り、ものづくりと経営をつなぐという2つのことをやっていました。

様々なプロジェクトに携わる中で、空飛ぶクルマが一番楽しいのではないか?ということに気づき、これって、いけるのでは?と思い、SkyDriveを立ち上げました。


吉永
なるほどですね。ありがとうございます。

次の質問です。
「地上のモビリティを変えようとすると、Uberの件でタクシーなど既存事業者からストップがかかるなどありましたが、空の場合は既存事業者もあまりいないのと、国を超えて同じような方向を向いているので、割と肩を組んでみんなで前向きにルールを作っていくという感じなのでしょうか?


福澤
今のところは、そうですね。

ただ、空飛ぶクルマはなんとなく怖いというのは、絶対あると思いますので、それよりも、乗ってみたい!と思ってもらえるようなPRや社会醸成の構築を経済産業省と一緒にやっています。


吉永
なるほどですね。ありがとうございます。

次です。
「マネジメントに関して、会社の規模が大きくなるにつれて、学んだことはありますか?」

 

福澤
これは、たくさんありまして、一番は言動をとても考えるようになりました。

人数が多いと、たまたま放った一言で、受け手は色々と考えてしまい、それが伝播するということがあります。ですので、言い方やメッセージ内容をかなり考えるようになりました。

コミュニケーションの方法を変えただけで、パフォーマンスが2~10倍になったりとかもあるので、私はまだまだですけれども、勉強しているところですね。


吉永
ありがとうございます。
次の質問です。「世論を巻き込む戦略があれば教えてください」


福澤
空飛ぶクルマという単語がポップなので、本当は、「電動垂直離発着航空機」という名前なのですが、それだと誰も見ないですね。

(聴衆笑)

ただ、空飛ぶクルマという言葉を使うと、みなさん見てくださるので、用語を多用するようにしています。

あとは、ムービーを作ったり、体感するようなものを作ったりするというのを次々と広報しています。やっぱり、安心感があるというメッセージを伝えていきたいと思います。


吉永
ありがとうございます。
確かに、私も、今日、SkyDriveの有人飛行のムービーや、2030年の未来のモビリティのムービーを見て、とてもワクワクしました!

まだ、続々と質問がきていますが、そろそろお時間なので、続きはこの後の懇親会で、直接、福澤さんに聞いてみてください。

 


では、次回と次々回のラサベンのアナウンスです。

次回は、12/5(土)15-16時です。いつもとは違い、夕方の時間帯になりますので、ご注意ください。

「社員番号#53と#681が語るメルカリの初期とUSグロース戦略」というテーマで、私の同期の津田君と現王園君がそれぞれ、メルカリの初期と、USのグロースを経験していますのでパネルディスカッションで話を聞けたらと思います。

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第12回は、ラ・サール52期の西岡さんですね。
トライディアというデータ解析事業のスタートアップを立ち上げられ、ビービット社に売却され現在はCTOとして働かれています。創業経緯と現在の働き方の話を伺えたらと思います。

 

年末までは、こちらの2回になりますので、是非ご参加ください。

 

本日は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございました。
福澤さんも、ご登壇いただきありがとうございました。

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